トリチウムの基本Q&A

トリチウムから出る放射線はベータ線です。トリチウムからのベータ線はエネルギーが小さいので物体を通り抜ける力(透過力)が弱く、人間の皮膚を通り抜けることができません。水や食べ物として莫大な量のトリチウムが体内に取り込まれた場合には、健康に影響が出る可能性があります。しかし、人工的なトリチウムを環境中に出せる量は制限されており、普通に暮らしていて、健康を心配するような量のトリチウムを体内に取り込む機会はありません。原子力・放射線施設については、国などによる厳しい排出基準が定められており、周辺の住民の方々にトリチウムによる健康影響が出たことはありません。
体内に取り込れたトリチウムの動きは、普通の水素と変わりません。特別な動きをしたり、特別に濃縮されたりすることはなく、身体に備わっている代謝の働きによって体外に排出されます※7

※7
DNAは、トリチウムに限らず、活性酸素や紫外線、自然放射線などにより損傷を受ける場合がありますが、生体に備わった修復機能によって絶えず修復されています。修復できなかったDNAの損傷は、細胞レベルの変化、組織や臓器レベルの変化などを引き起こすことがありますが、そこでも損傷を回復させる機能が働きます。

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