トリチウムの基本Q&A

トリチウムは、「水素」の一種です。普通の水素との違いは、トリチウムの原子の構造が不安定なことです※3
トリチウムは、放射線を出して安定した原子(ヘリウム)に変化します。ヘリウムに変化してしまえば、それ以降は放射線を出すことはありません※4
地球上には、原子力発電所などで人工的に生まれたトリチウム以外に、自然に発生した天然のトリチウムも存在しています。宇宙から常に降り注いでいる宇宙線(宇宙空間を飛び交う高いエネルギーの放射線)が大気に衝突し、天然のトリチウムが生まれます=図3参照。トリチウムは普通の水素と同じように水として、水蒸気や雨水、海水、水道水、河川水の中に存在しています。わたしたちが毎日、口にしている飲料水や食べ物にもトリチウムは含まれています。人間の体の中にもトリチウムが取り込まれているのです。

図2 普通の水素との違いは「中性子」の数です
図3 宇宙線によって天然のトリチウムが生まれています

※3
水素には、普通の水素、重水素、三重水素(トリチウム)の3つの種類があります。トリチウムは、原子の中心にある「原子核」の中に、普通の水素とは異なり、「中性子」があるため、不安定な状態になっています=図2参照。
※4
放射性物質が放射線を出す能力は時間とともに減っていきます。半分になるまでにかかる時間を「半減期」といいます。半減期の長さは放射性物質の種類によって異なり、トリチウムの半減期は12.3年です。

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