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中国電力陸上競技部、新旧監督に聞く

2017/03/03  5面 

 2月に監督が交代した中国電力陸上競技部。油谷繁氏が新監督に就任し、坂口泰氏は総監督に就く。3人の五輪選手を輩出し、2004年、07年の全日本実業団対抗駅伝競走大会(ニューイヤー駅伝)で優勝。全国的な知名度と実績を誇る一方で、09年の世界選手権(ベルリン)を最後に世界大会の出場選手はなく、ニューイヤー駅伝では16年、17年と連続して入賞を逃した。以前の勢いを取り戻すには何が必要なのか。新旧両監督にチームの現状と課題を語ってもらった。

中国電力陸上競技部監督・油谷繁氏

監督・油谷繁氏

◆監督・油谷繁氏/ニューイヤー駅伝入賞へ

 ――監督に就任したが、今の心境を。
 「発言一つで物事が決まっていく立場となり、結果に対する責任感をひしひしと感じている」

 ――初めて就任を打診されたときの思いは。
 「2012年にコーチとなって5年が過ぎ、『いずれは監督に』という思いは持っていた。いざ正式に伝えられた時は、いよいよ坂口泰・前監督の25年分の実績を引き継ぐということが頭に浮かび、非常に重みを感じた」

◇「負けず嫌い」で

 ――近年のチームの印象は。
 「かつては『こいつだけには負けたくない』という思いを全面に出すなど、ガツガツした部分があった。現在の選手は自分の思いを外にあまり出さず、おとなしくなったと思う。ただ印象はどうであれ勝負の世界である以上、負けず嫌いでないといけないとは考えている」

◇「柱」選手の不在

 ――ニューイヤー駅伝では16年、17年と2年連続で入賞を逃した。 
 「ニューイヤー駅伝は1年で1番大事な駅伝であり入賞が最低ライン。やはりレースの流れを変える『柱』となる選手の不在は影響している。有望な選手が関東に流れる傾向が強くなっていることも課題の一つだ」
 「こうしたらすぐ結果が変わる、という類いの解決法はなく、1年を通して選手に高い意識を持たせる必要がある。自分たちは何を目指して頑張るのか。こうした根本の部分をしっかり練習を通じて伝えたい」

 ――今後の抱負を。
 「まずはニューイヤー駅伝で8位以内を取る。また、中国電力はマラソンでも活躍してきたチーム。20年東京オリンピック出場の可能性はゼロではないだろう。どんどん挑戦し、五輪や世界陸上で勝負できる選手を育てたい」

 <あぶらや・しげる=95年美祢工業高校卒、中国電力入社。04年アテネ五輪男子マラソンで5位入賞。04年、07年のニューイヤー駅伝では優勝に貢献した。12年からコーチ。山口県出身、40歳>
    

中国電力陸上競技部総監督・坂口泰氏

総監督・坂口泰氏

◆総監督・坂口泰氏/五輪コーチ就任、総決算に

 ――交代を意識した時の心境は。
 「昨年10月頃にオリンピック強化コーチの話を頂いた。交代については何度も悩んだが、やはり監督との両立はできないと考え、ここでけじめをつけようと考えた」

◇チーム内に競争

 ――1992年から約25年間監督を務めた。
 「就任当時は高校生にも勝てなかった。自信はなかったが、やるしかないという思いだった」
 「直後の93年のニューイヤー駅伝以降、好成績が続いた。選手は結果を出せば練習環境が良くなると分かり、一層練習に励む。チーム内にも競争が生まれ、さらに練習に打ち込んで力を付ける。2000年代にかけては上手く成長のサイクルが回った」

 ――現在のチームをどう見ているか。
 「成績の下降を止める局面に入り、新たな価値観が必要だろう。上り調子の時代は『結果を出さなければ自分たちは認めてもらえない』という信念が支えた。これに変わる価値観の下で良い成績を残し次世代を引きつけることが求められる」

◇結果を出すだけ

 ――油谷新監督に期待することは。
 「結果を出すこと。これだけだ」

 ――20年東京五輪男子マラソン強化コーチに就任した。
 「東京開催ということもあり結果が与える影響は大きい。それでも陸上競技人生の総決算としてチャンスを与えられたことを幸せに思う。できる限りのことをしたい」

<さかぐち・やすし=84年早大教育卒、エスビー食品入社。84〜88年のニューイヤー駅伝で優勝を経験。87年びわ湖毎日マラソン2位、福岡国際マラソン7位。90年に中国電力へ入社し、92年に監督就任。広島県出身、55歳>



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