前川の上流部に設置した取水えん堤。発電用水だけでなく、農業用水も共同で取水している 四国電力が建設を進めていた水力の黒藤川発電所(愛媛県久万高原町、流れ込み式、1900キロワット)が3月に営業運転を開始した。同社では36年ぶりの新設水力となり、脱炭素への貢献や地域との共生が期待されている。建設に当たってはコストと品質の両立に向けた機材・工法の採用や、新設の機会を利用した経験・技術の蓄積にも注力した。立川貴重・再生可能エネルギー部長のインタビューを交え、発電所の概要や特徴、建設の経緯などを紹介する。