2025年1月22日水曜日
電気新聞
新聞購読案内 電気新聞デジタル

TOPニュース

[2025年度予算案]経産省/脱炭素電源の供給網支援

2024/12/27 Web面 

 経済産業省は脱炭素電源のサプライチェーン(供給網)支援を展開する。27日発表した2025年度予算案にGX(グリーントランスフォーメーション)サプライチェーン構築支援事業として610億円を盛り込み、再生可能エネルギーや水電解装置、燃料電池の生産設備投資を後押しする。次世代革新炉のサプライチェーン支援には60億円を充てた。国産再エネの普及拡大や原子力産業基盤の維持・強化を狙う。
 GXサプライチェーンの再エネには、ペロブスカイト太陽電池や浮体式洋上風力が対象に含まれる。第7次エネルギー基本計画で国産サプライチェーンを強化する方針を掲げている。
 経産省全体の予算案は前年度当初比7・6%増の2兆524億円となった。エネルギー対策特別会計は7183億円、GX推進対策費は6839億円とした。
 他省庁の25年度予算案によると、環境省は大企業と取引先の中小企業が連携してバリューチェーン全体の二酸化炭素(CO2)排出量を算定して削減計画を作成し、省CO2型設備を導入する取り組みを支援する新規事業に62億円を盛り込んだ。
 燃焼時にCO2を排出しないクリーンエネルギーの水素の利活用を進める事業には、38億円を充てる。水素の価格は、天然ガスなど既存の燃料に比べ、まだまだ高く、低コストなサプライチェーンを構築する実証に取り組み、水素ボイラーや高効率型の燃料電池の導入を支援する。
 文部科学省は、原子力分野に前年度と同額となる1474億円を計上した。詳細設計の着実な推進など新試験研究炉の開発・整備に前年度比2億円増の23億円を充てる。原子力分野の研究・人材基盤の強化には、同4億円減の105億円を振り向ける。核融合分野には、同2億円減の206億円を計上した。
 国土交通省は、脱炭素社会の実現に向けたGX(グリーントランスフォーメーション)推進施策では、ZEH・ZEB(ゼロ・エネルギー・ハウス/ビル)の支援強化などに941億円を計上した。24年度補正予算に盛り込んだ「GX志向型住宅」への支援と併せて、住宅・建築物分野での脱炭素化を加速させる。
 原子力規制委員会は新規事業として、東京電力福島第一原子力発電所事故の事象進展の解明に関する調査事業に2億3千万円を計上した。各号機にある原子炉建屋内の放射性物質の分布などを把握するほか、実物大のペデスタルを模擬したコンクリートの加熱試験に取り組む。最終処分の安全確保に関する規制技術研究事業に、7千万円を新規に盛り込んだ。



>>電子版を1カ月無料でお試し!! 試読キャンペーンはこちらから