これまで2回にわたり世界最大のトカマク型磁場閉じ込め方式の核融合実験炉を、国際協力の下で建設する「ITER(イーター)」について、経緯や概要と目的に加え、そこで行われる「核融合反応を伴う」実験の重要性を紹介してきた。一方、足元では核融合スタートアップらを中心に産業界が台頭し、時代のうねりを引き起こしている。フュージョンエネルギー(核融合発電)業界全体を取り巻く環境は、活況の様相を呈すとともに、混沌(こんとん)とも表現できる。なぜ、このようなうねりが起き、その中でITERの存在意義はどこにあるのか? ITER用超伝導コイル調達活動に携わった筆者の経験を踏まえて、解説・意見を述べたい。
◆筆者:尾関秀将氏
名古屋大学大学院修了後、12年4月に日本原子力研究開発機構に入社。那珂核融合研究所(現在の那珂フュージョン科学技術研究所)でITERプロジェクトに約7年携わった。19年に転職し、現在は電機業界の標準化・認証・ルール形成戦略に関わる。22年12月に個人のウェブサイト「核融合の先生」を立ち上げ、核融合の最新知見をわかりやすく伝える情報発信を開始。同名のYouTubeチャンネルも運営している。
「核融合の先生」https://jpscience.info/
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