2024年11月8日金曜日
電気新聞
新聞購読案内 電気新聞デジタル

TOPニュース

【号外】東北電力女川2号、原子炉が起動/東日本大震災から13年

2024/10/29 Web面 

原子炉モードスイッチを操作し原子炉を起動した(29日、代表撮影)
原子炉モードスイッチを操作し原子炉を起動した(29日、代表撮影)※画像クリックで拡大します※
◆来月7日発電再開

 東北電力は29日、女川原子力発電所2号機(BWR、82万5千キロワット)の原子炉を起動した。午後7時から制御棒137本を慎重に引き抜いて核分裂を開始した。順調に進めば11月7日に再稼働(発電再開)し、12月25日に営業運転を開始する。東日本大震災の被災地で13年7カ月ぶりに原子力が動き出し、「再出発」の準備が整った。

 29日、中央制御室で運転員8人が作業に当たる様子が報道陣向けに中継された。阿部正信執行役員・所長をはじめ原子力規制庁や協力企業、メーカーなどの関係者が作業を見守った。
 10秒前から切り替え操作の詳細なカウントが始まり「3・2・1」の合図で運転員が原子炉制御盤を操作。原子炉モードスイッチを「起動」の状態に切り替えて、制御棒引き抜きを開始した。制御棒1本の出力変動が少ないことから「連続引き抜き」を行い、操作は順調に進んだ。
女川2号機起動を伝える電気新聞号外※画像クリックでpdfファイルが開きます※

 運転員の約4割が未経験だが、発電所内のシミュレーターで訓練を積んだ。2023年度の使用回数は65回、設備利用率は90%以上だった。タービン構造が似ている火力や稼働中の他社PWR、米国の原子力などにも要員を派遣し、スキルを高めた。
 震災を経て、地域住民からの信頼も一層厚くなった。震災直後は地域住民の避難所となり、所員は不眠不休で対応。発電所近くの道路復旧にも尽力した。イベントや祭りでも頻繁に顔を合わせており、文字通り「顔の見える発電所」として、復興への道のりを共に歩んだ。
 13年ぶりに東北・新潟地域に原子力の電気がともる瞬間が、すぐそこまで近づいている。「より、そう、ちから。」のスローガンの下、地域とともに成長・発展するため着実に歩みを進める。



>>電子版を1カ月無料でお試し!! 試読キャンペーンはこちらから