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電力インフラのデジタル化、競争力向上へ方策探る/エネ庁研究会

2017/10/26  1面 

◆東電F&P、関電が火力の事例紹介

 電力インフラの保守・運営にIoT(モノのインターネット)などデジタル技術を導入し、効率化・最適化を図る取り組みが広がっている。経済産業省・資源エネルギー庁では、こうした動きを競争力強化につなげようと、「電力インフラのデジタル化研究会(E―Tech研究会)」で検討を進めている。送配電分野のさらなる収益性の向上、発電設備の積極的な海外展開を促すことが狙いだ。約4カ月ぶりとなるきょう26日の会合では、火力発電所の高効率化などをテーマに、東京電力フュエル&パワー(F&P)と関西電力が自社の事例を紹介する。

 東電F&Pは機械学習による石炭火力発電所の燃焼調整の体系化について報告。これまでエンジニアの経験に依存していたパラメーター調整に、機械学習を取り入れることでスキルをモデル化。窒素酸化物(NOx)排出量を最小化したり、最適な稼働率を実現するのが目的だ。

 また、日本の技術が持つ「強み」を可視化する取り組みにも注力。発電所運営の知識・技能など、言語化しづらく主観的になりがちな“匠の技”について、用語を統一したり、技能の成熟度を指標化することで体系化し、パフォーマンスの維持・向上につなげる。

 関電は、これまで蓄積してきた発電データに基づき、計画から運営までを支援するエンジニアリングサービス「K―VaCS(ケイバックス)」について説明。付加価値の創出やICTデバイスによる現場作業の効率化などを概説する。

 同研究会では、少子高齢化や人口減少によって、国内の電力需要が伸び悩む可能性が高いことに加え、送配電設備を中心に高経年化が進み、設備の確実・効率的な運用が求められていることを踏まえ、発電、送配電、小売りと分野別に競争力強化の道筋を探っている。

 発電分野を取り上げるのは今回の会合までで、次回会合からは小売りに焦点を当てる。スマートメーター(次世代電力量計)のデータ利活用の円滑化などを巡り、委員やゲストスピーカーから意見を募る。

 一方、並行して検討を進めている「電力・ガス分野から考えるグローバルエネルギーサービス研究会」も早ければ11月下旬に再開させる。海外展開でハードルの一つとなるファイナンス面での支援体制の強化に向け、特に貿易保険の適用に関する課題などを整理する方針だ。

 エネ庁では、各社の取り組みの予算面での支援や、ISO(国際標準化機構)規格化なども視野に、今後も期限を設けず、両研究会で議論を続ける。エネ庁は「運転・保守でのデジタル化は、社内の機運を高めるのが難しいテーマだが、息の長い取り組みであることをメッセージとして発信していきたい」とする。

 政府は、IoTや人工知能(AI)などの技術を通じて新たな価値を創出する「コネクテッド・インダストリーズ」を成長戦略の柱に据える。5つの重点分野の中の一つが「プラント・インフラ保安」で、自主保安技術の向上をはじめ、企業間のデータ協調に向けたガイドラインの策定、規制制度改革の推進などに注力する方針を掲げている。



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