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エネルギー/市場

JTB、電力小売りを全国展開へ/営業網で観光施設開拓

2017/10/18  3面 

 旅行大手JTBの新電力、JTBコミュニケーションデザイン(東京都港区、細野顕宏社長)は来年度から、電力小売事業を全国9エリアに拡大する。ホテルやレジャー施設など高圧の観光関連施設を開拓する。全国に根を張るグループの営業基盤を活用することでコストを抑制する。国が2020年東京五輪・パラリンピックを視野に観光政策を推し進める中、JTBも観光業界の支援を前面に押し出して電力小売事業の差別化を図る。

 今年5月から中部電力エリアで参入し、2018年4月に一気に9エリアに広げる予定だ。現在の供給先は約60施設で契約電力は計1万キロワット弱だが、10月から先行して全国での営業活動を本格化。4月時点で300施設・6万~7万キロワット程度まで拡大する目標を掲げる。

 全国に張り巡らせたグループの営業基盤が強み。ホテルに消耗品を提供するグループ企業の営業人員200人や、観光関連団体のネットワークを活用する。全国展開するホテルチェーンなどの一括切り替えにも対応できる。

 新電力の営業手法として一般的な代理店を活用せず、自前で需要家を開拓する。本業である旅行業の営業員が窓口となり、料金見積もりなどの作業はJTBコミュニケーションデザインが担当する。JTBコミュニケーションデザインによると「(他社に)価格で負けても、信頼性を理由に選んでもらった需要家もいる」という。

 ターゲットはホテルや旅館、スキー場や美術館などの高圧施設が中心。各地の観光協会や寺社仏閣など、観光資源全般に対応する。将来的には、飲食店や土産店など低圧法人への供給も計画する。

 需給管理の体制も自前で構築し、電力事業単体での採算確保を目指す。需給管理システムを自作してコストを抑制し、競争力を高めている。調達先は常時バックアップと卸電力取引所が中心だ。

 観光施設は季節や曜日、地域特有の観光シーズンによって需要が変動する。本業での知見を需要予測にも生かし、将来的には観光施設に特化した省エネサービスの提供も検討する。

 鳥羽(三重県)や志賀高原(長野県)などの観光協会と覚書を結び、需要家を紹介してもらう代わりに収益の一部を還元し、地域の観光PRなどに役立ててもらう取り組みも展開。JTBグループで掲げる「地方創生・観光立国」の実現につなげるのが狙いだ。

 地域活性化の要となる自治体の電力購入入札に、来年度から応札することも検討している。旅行業の営業担当者を通じて、すでに入札案件の情報収集を始めている。

 東京五輪を見据えて国が観光を推進する中、JTBコミュニケーションデザインも電気料金の削減を通じて観光業界を後押し。20年までに契約を約20万キロワットまで積み増し、売上高100億円を目指す。



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