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東電HDとJXTG、川崎市にガス火力建設を検討

2017/09/04  1面 

◆熱量調整設備建設での協力も視野に

 東京電力ホールディングス(HD)グループと石油元売り最大手のJXTGホールディングスが、川崎市に130万キロワット規模のLNG(液化天然ガス)火力発電所を建設する方向で検討を進めていることがわかった。両社は都市ガス製造に使う熱量調整設備建設での協力も視野に入れ、協議を進めている。将来の首都圏の電力・ガス販売競争に影響を及ぼす大型の提携構想が浮上してきた。

 両社が検討しているのは、既存のLNG火力発電所と同じ地区で最新鋭設備を建設する案だ。複数の関係者によると、東電フュエル&パワー(F&P)の東扇島火力発電所(LNG、200万キロワット)がある川崎市で、同発電所に隣接するJXTGの土地を活用し、新たな発電所を建てる案を模索しているもよう。新発電所の完成後も、東扇島火力は一部活用する方向。

 首都圏向けの電源開発は、既存系統の空き容量不足や電源線コストが大きなネックになっている。既に電源が建設・運営されるエリアに発電所をつくることで、こうした課題を軽減できる可能性がある。

 新設する発電所の出力は約130万キロワット。系統接続にかかわる手続きを経て、10月にも共同出資で特別目的会社(SPC)を設立し、環境影響評価の準備などを進める。最終的な投資判断は18年頃を見込む。

 さらに、両社はガスの熱量調整設備の建設でも提携を模索している。東電は家庭向け都市ガスの供給力確保に向けて、18年秋の運開をめどに千葉の姉崎火力発電所で熱調設備の建設を進めているが、川崎市に新設備ができれば都市ガスの供給力に厚みが増す。

 JXTGにとっても、熱調設備は首都圏の都市ガス小売り事業参入に向けた足掛かりになる可能性がある。JXTGを巡っては、東電エナジーパートナー(EP)と日本ガス(ニチガス)が8月に設立した共同出資会社の都市ガス事業プラットホームに参画する可能性も取り沙汰されている。

 熱調設備は、都市ガス小売り事業参入に向けた事実上の参入障壁になっている。両社が検討中の新たな熱調設備は首都圏市場参入を目指す他のプレーヤーからも関心を集めており、共同出資などの形で参画する可能性もある。

 個別の電源開発や燃料調達でエネルギー業種の壁を越えた提携が実施された例はあるが、今回のように電力・都市ガス双方の供給にかかわる包括的な設備形成を視野に入れた提携は異例。東電HDグループとの提携が実現した場合、今後のエネルギー上流分野の勢力図に及ぼす影響も注目を集めそうだ。



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