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沖縄除く電力9社、グロス・ビディングを開始

2017/08/09  1面 

◆スポット市場の約定量押し上げ

 卸電力取引市場が未整備の沖縄を除く電力9社が、日本卸電力取引所(JEPX)で「グロス・ビディング」を開始したことが分かった。グロス・ビディングは、これまで電力会社の発電部門と小売部門の間で行っていた電気の社内売買を、JEPXのスポット市場を介して行うようにするもの。卸取引の透明性の向上と取引活性化を狙いとして、昨年に導入が決まり、電力会社によっては今年4月から始めていた。スポット市場の約定量は6月から最高記録の更新が続いたが、押し上げの一因になったとの見方も出ている。

 電力会社の自主的取り組みと位置付けられるグロス・ビディングは、4月1日の九州を契機に、北海道、東北、中部、関西、四国が6月下旬までに開始。東京電力エナジーパートナー(EP)と北陸が7月上旬、中国が7月下旬に始めたことで、開始の意向を示していた9社全てが履行した。各社は2017年度末か開始後1年をめどに、販売電力量の1割程度を売り入札にかける目標を掲げている。18年度以降は、さらに入札量を増やす考えだ。

 スポット市場の約定量は、6~7月の2カ月間で過去最高を16回更新した。6月の1日平均約定量は、05年の市場開設後初めて1億キロワット時の大台を超え、7月はさらに前月比3割増の1億3208万800キロワット時となった。

 ベースとなる売りと買いの入札量も旺盛で、6、7月ともに月間入札量は前月実績を上回った。電力需要が増えて新電力の買いが強まったことなどに加え、電力各社によるグロス・ビディング開始の効果を指摘する声も市場関係者から上がっていた。

 電力会社の発電部門が発電所の供給余力を卸取引市場に拠出するだけではなく、グロス・ビディングは自社の顧客の需要に充てる分も市場に拠出し、小売部門が買い戻す。発電部門と小売部門間の社内売買を“見える化”し、透明性を高めることが第一の狙い。取引量がより厚みを増し、適正な価格指標の形成につながることも期待されている。

 昨今、約定量が大幅に増えたとはいえ、日本の電力需要に占める卸市場取引量のシェアはまだ3.5%(4月末時点)にとどまる。大手電力が11年からグロス・ビディングを始めた英国では電力需要の60%以上が卸市場で取引されている。



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