2017年6月25日日曜日
電気新聞
新聞購読案内 電気新聞デジタル

TOPニュース

自由化1年、新電力シェアは8.7%/電力間競争は依然低調

2017/04/04  1面 

 2016年4月に始まった電力小売り全面自由化から1年が経過した。小売電気事業者は約400者に達し、総需要に占める新電力のシェアは16年12月時点で8.7%と、16年4月時点と比べて3.5ポイント増加。調達面では日本卸電力取引所(JEPX)の取引量は、総需要に占める約定量のシェアが16年12月時点で3.4%となった。全面自由化2年目を迎え、取引量のさらなる拡大が見込まれるとともに、電力システム改革の仕上げに向けた検討も進みそうだ。

 同月時点での新電力のシェアは特別高圧・高圧分野が11.8%、低圧分野が3.5%。特に低圧分野は、特別高圧・高圧分野の自由化開始時と比べ、急速に新電力のシェアが拡大した。一方、大手電力間の競争は低調な状況が続いている。

 グループ会社を含む大手電力の域外供給は、全体では0.8%にとどまっており、北海道、東京、関西の3電力エリア内のみ1%以上となっている。この状況について、3月31日に開かれた電力・ガス取引監視等委員会の会合では委員から、「(大手電力間で)暗黙の協調行動があるのではと邪推してしまう」との指摘があった。

 経済産業省内では全面自由化に関し、もともと大手電力間競争の活性化を期待する声が大きかった。このため、相互参入の進まない合理的な理由がないまま低調な状況が続くことになれば、制度的な手当てが検討される可能性もありそうだ。

 一方、JEPXの取引量は、大手電力の自主的取り組みと新電力の買い入札の増加が相まって大きく増えている。総需要に占める取引量は、16年10~12月平均では前年同期比1.5倍の3%に増加。さらに4月からは大手電力による「グロス・ビディング」が始まり、取引量は大きく拡大するとみられる。

 ただ、13年時点での総需要に占める取引量は、英国で50.7%、ドイツで50.1%、北欧では86.2%となっており、日本の取引量割合はまだまだ低い。また「量だけではなく、質の議論が重要」(新電力関係者)との指摘もある。

 グロス・ビディングによって大手電力の社内取引を“見える化”することで価格の指標性が高まり、取引量の増加が期待できるが、新電力が低価格で調達できる電力が実質的に増えるとは限らない。今後は「質」を高める議論も求められそうだ。

 3段階で進められてきた電力システム改革の総仕上げとなる、発送電分離(送配電部門の法的分離)の詳細設計も始まった。20年4月の実施に向け電力・ガス監視委は、各社のシステム改修や組織整備に十分な準備期間が必要なため、17年中に設計を終える方針。

 一方、経過措置料金の撤廃に向けた検討も進む見通し。撤廃の可否は新電力の市場シェアなどを基に電力エリアごとに判断するもので、競争環境に大きな影響を与える。このため、撤廃の基準や評価の議論は注目が集まりそうだ。



>>この記事の続きは『電気新聞』本紙または『電気新聞デジタル』でお読みください

同じカテゴリーの最新記事